『国税徴収法』の受講を検討している知人に、色々質問されましたので、そのQ&Aをここに記載します。
2024年目標の科目を検討する際に参考にして頂けたらと思います。
ちなみに、第71回税理士試験で『国税徴収法』に合格しております!
※ 僕の見解ですので、必ずしも全ての方に当てはまるものではありません。
Q1.独学で合格できるもの?
独学でも十分合格可能だと思います。
ただし、ペースを崩さず淡々とできる場合です。
自分ではペースを決められる自信がない場合は、受講して確認テストをペースメーカーにすることをオススメします。
国税徴収法は、理論100%といえど、計算問題もあります。(詳しくは後述)
また、理論については、暗記の精度というよりは理解度を求められる試験です。
Q2.独学(TAC、大原通わない)での勉強方法は?
まずはどんなものか、税務大学校(国税関係に配属された公務員が研修するところ)が提供している資料を読んでみると良いと思います。
予備校でもこの内容と同じもの(必要な部分だけ)を授業している感じです。
また、独学であっても、理論は「理マス」か「理サブ」いずれかを覚えることになります。
僕は「理マス」派です。
※ご購入される際は、年度をご確認ください。
また、独学で勉強する方は、このような書籍も参考になると思います。
こちら3冊は教科書的に使っています。
【↓基礎を固める用として↓】
【↓知識の補完用として↓】
Q3.試験問題の形式は?
試験形式は、表向きは理論100%です。
しかし配当計算と呼ばれる計算も出題されます。
近年は電卓もいらないレベルの計算しか出ていませんが、万が一出題されたときのために、難しい問題への対策も必要です。
計算問題について詳しいことは、下記のブログ記事を参考にしてください。
実際の本試験は文字を崩さずに書いても、だいたい1時間半くらいで全部書き終わります。
なので、他の科目のような速記試験ではありません。
そのかわり、理解力の問われる問題が出題されます。
他のミニ税法のような『1ミスアウト』ということはありません。
【追記】第69回本試験においては、120分をフルで使うようなボリュームの問題が出題されました。
【追記】第70回本試験においては、制度の趣旨や理由などを問う問題が出題されました。
【追記】第71回本試験においては、配当計算問題(26条)が出題されました。
【追記】第72回本試験においては、ボーダーがTAC基準で87点/大原基準で81点というワンミスアウト的な問題が出題されました。(通常はそんなことはありません)
Q4.1週間あたりの勉強時間(9月スタートの場合と1月スタートの場合)は?
大原のカリキュラムでいうと、9月スタートの場合は、「9月~12月」「1月~4月」「5月~7月」で、大体範囲を3回転します。
1月スタートの場合は大体2回転になります。
僕の場合は家族に秘密で勉強しているので時間に制限があり、なおかつ消費税法の傍らやっていたので、平日の国税徴収法の勉強時間は昼休み1時間くらいです。
休日は一切勉強できません。笑
今回ボーダーに届いていないので、少なくとももっと勉強時間は必要だと思います。
Q5.感覚的な他の税法科目との難易度
僕の合格科目は「簿記論」「財務諸表論」「所得税法」「消費税法」「国税徴収法」です。
感覚的には、
所得税法 >>> 消費税法 > 国税徴収法 > 簿記論 ≧ 財務諸表論
だと思います。
前述しましたが、国税徴収法は十分時間が余るので、試験中は気持ちに余裕を持って受けられます。
ただ、難解な事例問題は本当に意味不明で、図に起こす力と読解力が必要なので、こんな感じです。
また、合格率も財表の半分の10%くらいです。
Q6.勉強するにあたっての注意点はある?
国税徴収法は個人的にすごくオススメの科目です。
ただし、最初の1回転をするまでは、先が見えない急斜面を上っているような感じで、かなり苦しいです。
一旦、頂上まで登っていしまうと全体が俯瞰できて、一気に苦しさは和らぎ、あとは応用力を高める練習をするのみです。
この最初の試練を乗り越えるだけの『瞬発力』と『忍耐力』があるのであれば、胸を張ってオススメできます。
以上です。
皆様の科目選択の際の一助になれば幸いです。