第12話 『2回戦』
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「お待たせ~!遅くなってごめん!」
「おぉ~、ありがとう!」
「じゃぁ、二回戦、始めようか!」
涼介の音頭で、手持ち花火大会は、またしばらく続いた。
「篤、さっきはありがとう。」
涼介は、温泉の湯船の縁に両手を掛けて、俺に言った。
「ううん、華とはいっぱい話せた?」
「おかげさまで。あと一息ってところかな。今晩、勝負を掛けようと思う。」
涼介は、真剣な表情だ。
「俺はできる限りのことをするよ。沙希と華を上手く引き離すの、任せて。上手くいくと良いね!」
俺は涼介の肩を割りと強く叩いた。
「おう!お先にな。篤も沙希といい感じになると良いな~」
涼介は冗談交じりで俺に言った。沙希とは、もうセックスもした。俺と沙希はもう行くところまで行ったよ。と、心の中でニヤニヤと笑った。
お風呂から出て、俺はバレないように沙希にLINEした。
「今夜、涼介が華に告白するかもって。だから、どうにかして、部屋で2人っきりにしよう。」
涼介と部屋に帰ると、手前の部屋と奥の部屋に二組ずつ、布団が敷かれていた。窓際のテーブルでは、浴衣姿の沙希と華が話している。華の浴衣姿もなかなかのものだ。時間は二十一時を回っていた。
「トランプでもしようか。」
涼介は、予めそのつもりだったのか、手際良く自分のバッグからトランプを取り出した。
「ババ抜きにしようか?大富豪にしようか?」
「私、大富豪に一票!」
華は楽しそうに応えた。それを見て、沙希も笑った。みんなで布団に寝そべりながら、大富豪をした。涼介はどのタイミングで告白するんだろう。俺は涼介の方を見る。涼介の顔は緊張していた。それを見かねた沙希が、俺に言った。
「そうだ、篤。ちょっと相談があるの。少し良い?二人は窓際でトランプの続きでもしてて。スピードとかなら二人でも出来るでしょ。」
沙希は微笑みながら、涼介と華に言う。沙希は涼介に目線を送る。そして、俺の背中を押して、畳の真ん中の間仕切りとなっている襖をそっと閉めた。
「とりあえず、作戦成功ね。ちょっと強引だったかしら?」
沙希はイジワルそうに満面の笑みを浮かべながら、小さな声で俺に言った。沙希は少し照れたような表情で俺を見る。
「あの二人、上手く良くと良いね。」
そして、俺は、気になっていた沙希の目のことについて、恐る恐る口を開いた。
「沙希、目の具合はどう?」
「あぁ、目ね。左目は変わらず一部が点が大きくなったように黒くなっていて、視界が遮られてるわ。これと一生付き合わなきゃいけないのね。」
「この前の検査の詳しい結果って、いつわかるんだっけ?」
「三~四週間後かな。また病院から連絡が来ることになっている。主治医の先生と今後の治療方針について、相談することになってるの。」
「そっかぁ、まだちょっと先だね。それまでの時間も気になっちゃって、辛いね。もし良かったら、その先生との面談に、俺も同席しても良いかな。」
「別に良いけど。ついてきてくれるの?」
「うん、一人じゃ心細いでしょ。それに、沙希の病気としっかり向き合うために、俺もちゃんと聞いておきたいんだ。」
俺は真っ直ぐに沙希の目を見つめた。
「ありがとう、あっくん。お願いします。心強いわ。」
俺は沙希を支えていく。この決意は今後揺らぐことはないだろう。そのために、沙希の病気のことをもっと知っておきたいと思った。
「私ね、目が見え辛くなって、不便なことも増えた。その代わり、心の繋がりというか、暖かさをより感じられるようになった気がする。繋がりが強くなればなるほど、もうそれなしでは生きていけない気がして。気持ちが入り過ぎて、離れていったらどうしよう。自分の欲望を剥き出しにして、離れていかれたらどうしよう。怖かったの。だから、あっくんを突き放すようなことをしてしまったの。本当にごめんなさい。」
「そんなこと、絶対にないよ。ありのままに、死ぬほど愛し合えば良い。死ぬほど求め合えば良い。」
沙希は、申し訳なさそうにうつむいた。俺はそんな沙希の顔を上げて、唇を重ねた。
「あっくん、ちょっとっ。」
襖を挟んだすぐ隣の部屋には、涼介と華がいる。沙希は隣の部屋を指差し、襖を少し開けて、様子を伺った。二人は窓際で話し込んでいる。俺と沙希は重なるように、その様子を見ていた。俺の手は、沙希の浴衣に滑り込んだ。手は柔らかい感触に包まれる。沙希もそれを受け入れるように、俺の下半身を熱した。隠れてするセックスほど、スリルのあるものはない。沙希は、そのギリギリのスリルを楽しんでいるようだった。少しの隙間から漏れる明かりから身を隠しながら、俺は腰を振り続けた。
涼介と華は、まだ話し込んでいた。
「あっくん、温泉行かない?」
「えっ、そうだね。ちょっとまた、汗かいちゃったしね。あの二人もまだ時間掛かりそうだし。」
タオルを片手に、沙希と一階の温泉に向かった。男湯は右側、女湯は左側にある。俺と沙希は、暖簾の前で分かれた。
「じゃぁ、また後で!」
大浴場は広く、洗い場も十箇所以上ある。俺は一番奥の洗い場に腰掛けた。身体を洗い、今日一日を振り返る。沙希とも、普通に話せるようになって良かった。病気のことは心配だけど、俺の思いも伝えられた。今頃、涼介は華に思いを伝えているころだろうか。今頃、布団に滑り込んでいるだろうか。人のことだが妄想が膨らむ。身体を念入りに洗い終えると、洗い場を立った。湯舟は大きく、天然温泉が引かれているらしい。水面にユラユラ揺れる白い湯気が、幻想的に俺を迎え入れる。右足から、そっとお湯の中に入っていく。脚の先から疲れが抜けていくようだった。ゆっくりと温泉に肩まで浸かる。夜空の漆黒とは対照的に、水面には、うっすらと白い湯気が漂う。蜃気楼のように、沙希みたいな人影が見えるような気がした。
「あっくん、来ちゃった!」
そこには、本当に沙希が立っていた。白いバスタオルと同じくらい白い、沙希の肌が見えた。胸元は膨らんでいる。
「今日は、他のお客さんがいないから、バレないでしょ。1回、温泉でしてみたかったんだよねっ。」
沙希は照れを隠すように、おどけて言った。沙希は大胆にバスタオルを取った。湯気の白さと、沙希の透き通るような肌の白さが一体化する。顔から足の先まで、毛は一本もない。その何の濁りもない白さと艶やかさに、俺は興奮した。おっぱいの形も最高だ。沙希は焦らすように、ゆっくりと湯船に入った。
「興奮するでしょっ?」
沙希はイジワルな顔をして言った。俺の顔の前には、ちょうど毛のない沙希の割れ目がある。沙希は両手でそれを広げるようにして、俺に見せつけた。俺はその少し膨らんだ割れ目の奥にある出っ張りに吸い付いた。
「あっ・・・。」
沙希の息が漏れる。沙希は崩れるようにして、俺の脚を跨いで座った。俺は沙希の膨らみに顔を埋めた。左右の弾力に顔が板挟みになる。幸せだ。誰も入ってくるはずもないので、俺らを邪魔するものは何もない。
「こうしてると、嫌なことを全て忘れられる。目を瞑っていても、たとえ目が見えなくても、身体で感じられる。」
温もりを感じた。優しさを感じた。本能のままに。
部屋に帰ると、涼介と華は、布団にゴロゴロしていた。こっちはこっちで一発ヤっていたのだろうか。でも、華の浴衣に乱れはないので、まだそこまでいっていないのだろう。
「おかえり!コンビニでも行ってたの?」
華は俺らに聞いた。
「そうそう、私、ちょっと炭酸が飲みたくて、篤にコンビニまで付き合ってもらってたの。道が暗くて、一人じゃ怖いし。ねっ、篤。」
「そうそう、外は星がキレイだったよ。2人も見てきたら。」
「そうだね、華、ちょっと見に行こう。」
そう言うと、涼介は、華を連れて部屋の外に出て行った。俺と沙希は顔を見合わせて、きっと、上手くいったんだ!と言わんばかりに、満面の笑みを浮かべた。
シーン画集 チラ見せ
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