第02話 『出会いは突然に』
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「年明けからの受講、どうした?」
「私は『簿記論』を通学で受けることにしました。」
事務所で俺と璃子ちゃんがそう話していると、
「俺はやっぱりダメだった。あ~『法人』の壁は高いな~。いっそのこと『所得』に変えちゃおうかなぁ~。」
と岡田さんが戯けながら言った。
「で、吉田君はどうするの?」
俺は正直迷っていた。『財表』には合格したが、『簿記論』はまだ残っている。それに加えて、九月から『消費税法』も受講していた。週二の大学に加えて、週三のフル勤務バイトをしながら、果たして二科目も勉強が回るのだろうか。
「実は・・・、まだ考え中でなんです。年内いっぱいは良く考えます。」
奥歯にモノが挟まったような感じで返した。
「そうか。まぁ受験戦略は大事だからね。予備校の先生にも相談してみたら?」
なるほど、その手があったか。俺は先生に相談したことはないが、参考までに意見を聞きに行こう。
「そうですね!ありがとうございます!」
俺の声に、少し活気が戻った。
「それでは、今日の講義はこれで終わりにします。来週は実力テストの回です。年内最後なので、しっかり復習してきてください。」
先生がそう言い終えると、受講生は皆、片付けを始める。俺のクラスの受講生は、割と年齢層が低めだ。日曜日の午前中ということもあるからだろうか。同じ大学生くらいの男が三人くらいと、ちょっと大人しめの女の子が二人、一人はたぶん巨乳で、もう一人は眼鏡をかけていてイマイチぱっとしないが足がキレイだ。あと、美人そうな女の子がいつも二列目に座っている。いかにも良くできるオーラを醸し出していて、背中越しに青っぽいオーラが見えるような気がする。個性的な髪色で、正面から顔を見たことはないが、きっと美人なはずだ。俺が通信じゃなく通学にしている理由は、クラスの人たちと仲良くなれるかもとの期待があったからだ。しかし、現実はそう甘くない。開講してから約三ヶ月、クラスの誰とも話せていない。各々が自分の世界に入っている感じで、なかなか近づけない。あわよくば、巨乳の女の子とお近づきになりたいのだが。そう考えていると、その女の子が席を立ち、俺の横を通り過ぎる。俺は横目でその子のおっぱいに視線を送る。やっぱりデカイ。もはや俺がこの教室に通うモチベーションはそのおっぱいにあるといっても過言ではない。そんなことを考えているうちに、教室には俺と先生しかいなくなった。俺は意を決して先生に相談しに行く。
「よし。」
席を立つ。先生はやさしい表情で、柔らかく俺に視線を向けた。
「こんにちは。わからないところありましたか?」
なんと低姿勢なのだろう。俺は恐る恐る自分の試験結果、そして、今後の進路を相談した。
「・・・。」
「ありがとうございます!年明けからはこの教室の『消費税法』は継続して、『簿記論』は通信で受けることにします!」
俺は晴れやかな表情で教室を後にした。その目には、メラメラとやる気がみなぎっている。
「とりあえず、来週の実力テストで満点を取る!」
――翌週、日曜日。
「やめっ!ペンを置いてください。」
やっと終わった。手ごたえは十分だ。ワンチャン満点かもしれない。勉強しただけ自分が解けるようになっているこの満たされるような快感は、何ものにも変えがたい。セックスをしているときのようだ。
「それでは答案を回収します。名前と会員番号をもう一度良く確認して、机の端に置いておいてください。」
そう言うと、先生は慣れた手つきで答案を回収して回った。ひと通り回収し終えると、答案の枚数を数え始める。
「あっ。」
先生の手から答案が滑り落ち、最前列の長机の下に散乱した。
「大丈夫ですか?」
一番前に座っていたおそらく美人であろう女の子が手伝う。そしてその二列くらい後ろに座っていた巨乳の女の子もその後に続く。俺もその輪に加わり拾うのを手伝おうと向かう。後ろから大学生くらいの男も来ている。俺はゆっくりと最前列の長机に近づいた。
「わっ。」
俺は思わず声を漏らしてしまった。いつも二列目に座っている女の子の顔が見えた途端、俺の顔は赤らんだ。タイプだ。かなりタイプだ。その上、美脚である。ちなみに、パーカーを着ていたので、おっぱいの大きさまではわからなかった。その横では巨乳の女の子が答案を拾っている。なんという光景だ。チラチラと見える豊満なバストの谷間が、俺の視線をいざなう。あぁ、幸せだ。絶対Eカップ以上はある!
「みんなありがとう!」
先生は俺たちにお礼を言った。こちらこそ先生、素晴らしい光景をありがとう!と言いたい。
「いいえ!」
みんな軽く会釈をした。
「俺ってこういうところあるんだよな~。教える側なのにおっちょこちょいで、ごめんね。」
と、いつも変わらぬ表情で講義をしている先生は、たぶん初めて表情を崩し、キラキラした笑顔を振りまいた。その場にいた俺たち受講生も、和気藹々となって笑った。
「みんなでランチ行かない?」
大学生くらいの男が言った。みんなと仲良くなれるチャンスとばかりに、俺も続いた。
「良いね!みんなで今年の打ち上げだ~!」
と、おちゃらけて応えた。
「私も行きます!」
「じゃぁ・・・私も。」
こうして、みんなで予備校が入っている建物の一階にあるカフェに入った。
「お疲れ様~!」
「カンパ~イ!」
昼間からランチビールで、みんなで乾杯した。あぁ、なんか青春している感じだ。
「じゃあ、自己紹介しようか!」
大学生くらいの男が口を開いた。仕切りたがりだ。こういう人が仲間にいてくれると助かる。なぜなら、俺は奥手だから。
「俺から時計周りね。じゃぁ始めます。俺は、伊藤涼介です。大学三年で、学校は多摩の方にあります。涼介って呼んでください。よろしく!」
涼介か。声を張ってしゃべっていたので、少し圧倒された。次は俺の番だ。気を取りなおす。
「吉田篤です。えっと、大学三年です。今回は『財表』だけ受かって、『簿記論』は落ちました。年明けからは、『消費』通学と、『簿記論』は通信で受講します。篤って呼んでください。よろしくお願いします!」
そう言い終えると同時に、涼介は俺の正面に座っていた巨乳の女の子に促した。
「私は、石井華です。大学二年です。来年の本試験は『消費税法』だけ受けます。バカなので色々教えてください!よろしくお願いします!」
華か。一つ年下かぁ。もう、そのはち切れそうなおっぱいの方にしか目がいかないのだが。皆は周りの迷惑にならないくらいに、小さく拍手する。
「次、どうぞ。」
涼介は隣の女の子を促した。
「山村沙希です。大学四年です。官報リーチで、『消費』で上がりです。仲良くしてください。みんなよろしく。あと、みんな私より年下だけど、私に気を使わなくて良いからね。タメ口でも全然OKです。沙希って呼び捨てしてくださいっ。」
沙希か。年上だからか、どこか落ち着いていて、おしとやかそうだ。こうして、俺ら四人は、念願のクラスメイトっぽい感じになった。
その後は、今日の実力テストの話に花が咲く。
「あそこ聞いてくるかね。普通、あっちのAランクの理論だろ~そこは。」
「そうだよね!あそこ切ったから、覚えてなかったし~。」
「計算は簡単だったよね!引っ掛けに引っかかりそうになったけど。」
「え~篤できるからだよ。私は凡ミスで芋ずるかも。」
「そんなこといって、絶対俺より点数高いパターンだよ~。」
最後に、四人でLINEを交換し、華の先導で、LINEグループを作った。
「LINEグループの名前かぁ。ねぇ、みんな名前どうしよっか?」
「『消費クラス』とか?」
「え~ダサ~い。」
ふと、華が俺の食べていた宇治金時のカキ氷を指差して言った。
「『金時会』はどう?」
「なんで『金時会』なの?」
涼介は華に不思議そうな顔をしながら聞いた。
「篤のカキ氷から取ったの!面倒くさいから、決まりね!飽きたらまた名前変えれば良いし。」
こうして、半ば強引にグループの名前が決まった。LINEグループのアイコンは、俺が食べていた宇治金時になった。ちなみに、俺は宇治金時が大好きだ。この抹茶とあんこのコラボは最高だ。バニラか抹茶か選ぶとしたら、俺は迷わず抹茶を選ぶ。しかもここの宇治金時は雪見だいふくみたいなのが乗っている。これがまた好きだ。俺はこういうきれいな形の膨らみに弱い。おっぱいのようなこの形は、この世で一番美しいものの部類に入ると思う。
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