【インスタントフィクション】檻(おり)

目次
● インスタントフィクションとは?
ピース又吉さん扮する『髑髏万博先生』が考案する、カジュアルな文章のことです。


各々が『様々な解釈をして楽しむ』ための文章です。
よろしければ、お楽しみください!
『檻(おり)』
ここは、多様性のテーマパーク。
鉄格子の向こう側には色々な生き物が、自由に歩き回っている。
ライオン。
意見を主張するように、こちらを威嚇する。
『うるさいうるさい、俺はここにいる限り安全なんだよ。』
サル。
大勢で群れを作って、みんな仲良くやっている。
『仲間なんてクソくらえ、俺は一人で生きていく。』
ネズミ。
生きるため必死に、その小さい体で餌にありついている。
『なんて惨めで哀れなんだ、俺は手を差し伸べないがな。』
鉄格子を握りながら、俺は吐き捨てるように言う。
それを聞いた生き物たちの、奇異の目が俺に刺さった。
檻には堅牢なカギがかけられている。
『なんで、俺はここに閉じ込められているんだろう?』