【インスタントフィクション】檻(おり)


 

目次

インスタントフィクションとは?

ピース又吉さん扮する『髑髏万博先生』が考案する、カジュアルな文章のことです。

各々が『様々な解釈をして楽しむ』ための文章です。

よろしければ、お楽しみください!


 

『檻(おり)』

ここは、多様性のテーマパーク。
鉄格子の向こう側には色々な生き物が、自由に歩き回っている。

ライオン。
意見を主張するように、こちらを威嚇する。
『うるさいうるさい、俺はここにいる限り安全なんだよ。』

サル。
大勢で群れを作って、みんな仲良くやっている。
『仲間なんてクソくらえ、俺は一人で生きていく。』

ネズミ。
生きるため必死に、その小さい体で餌にありついている。
『なんて惨めで哀れなんだ、俺は手を差し伸べないがな。』

鉄格子を握りながら、俺は吐き捨てるように言う。

それを聞いた生き物たちの、奇異の目が俺に刺さった。
檻には堅牢なカギがかけられている。

『なんで、俺はここに閉じ込められているんだろう?』


 

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