第26話 『休息期間』


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今年の税理士試験は終わった。税理士受験生に、やっと休息期間が訪れる。来年に向けてのレギュラー授業は来月九月からもう始まってしまう。長い税理士試験に挑むことを選択した猛者たちは、この試験後から九月頭までの約一カ月弱しか、勉強から離れられる時間はない。この期間に、旅行に行ったり、普段できないような趣味に没頭したり、時間を忘れてゲームをしたり。肉体的にも、精神的にも、『ぜいりし』という四文字から解放されるのだ。

俺たち『金時会』も例外ではない。ちょうどさっき、涼介から、旅行の提案が金時会LINEに入ってきた。
「みんな、試験お疲れ!敢えて試験の出来は聞かないけど、パーっと一年の打ち上げしない?」
「良いね、どっか行きないな~!海とかねっ。」
華の返信がすぐに飛んできた。海か!華の豊満なおっぱいを、この目で拝める日が来るとは。俺も振り落とされないように会話に参加した。
「みんなお疲れ様!旅行良いね!」
「お疲れ様!海だったら、私、熱海に別荘があるけど。」
沙希から控えめに返信が来た。さすが沙希。金持ちなだけあるな。別荘を持ってるとは。
「沙希の家、別荘なんて持っているの?スゴい!スゴい!行きたい!行きたい!」
華のはしゃぎようが、文面からも伝わってくる。
「沙希、俺たち四人で、その別荘って使っても大丈夫なのか?」
涼介が冷静に聞いた。
「どうせ家族もあんまり使ってないしね。むしろ、せっかくあるんだし、誰かに使ってくれた方が、ありがたいんじゃないかな。」
「そっか!じゃぁ決まりな!」
沙希は思い出したように言った。
「そうだ、折角だから、璃子ちゃんも誘ってみよっか。」
俺はビックリした。あんなことをした女だぞ。きっと涼介もビックリしているに違いない。
「でも、あんなことがあったのに、大丈夫?」
俺は聞いた。
「うん、私なら大丈夫よ。篤と涼介がトラウマになってないかしら?笑」
「まぁ、人数が多い方が楽しいしな。」
「璃子ちゃん、このグループLINE抜けちゃったから、次、事務所に行った時に、直接聞いてみるね。」
こうして、俺たち『金時会』の、熱海旅行が決定した。

――翌木曜日。

水曜日は、久しぶりに大学のゼミがあったので、大学に行った。俺はもう四年生だから、ほとんど授業はなく、あとはゼミを適当に受けているだけだった。ゼミと言っても形だけで、卒業論文を提出する義務もなく、ただ学生が集まって、教授の出したテーマを毎回ディスカッションし、その講義で完結するいうことの繰り返しだ。そのため、税理士試験が終わって、次に事務所に来たのは、二日後の今日になってしまった。
「おはようございます!」
「おはよう!今日も良い朝だな。やっと試験から解放されて、なんだか肩が軽くなったよ。」
岡田さんが元気に挨拶してきた。この様子だと、今年の試験は手ごたえがあるのかもしれない。機嫌の良い岡田さんは、口数も多くなる。
「あれ、璃子ちゃんはまだですか?」
「あぁ、まだ来てないみたいだね。でも、もうすぐ来るんじゃないかな?」
そう言っているうちに、璃子ちゃんが事務所に駆け込んできた。
「おはようございます。ぎりぎりギリギリセーフ!危なかったぁ。電車が遅れて。」
璃子ちゃんは息を切らしながら、荷物を下ろした。
「おはよう、璃子ちゃん。ちょっと、話しがあるから、今日ランチ一緒に行かない?」
「吉田さんから誘ってくれるなんで、珍しいじゃないですかっ。是非!また何か良いことでもあったんですか?」
「いや、そういうことじゃなくってね。ちょっと誘いたいことがあって。」
「なになに?自宅への誘いですか?私、今日は勝負下着付けてませんよ?」
璃子ちゃんのペースに乗せられそうになる。前はこんな子じゃなかった気がするが。
「まぁとにかく、ランチ、よろしくね!」

――昼休み。

「吉田さん、お誘いってなんですか?」
「うん。試験も終わったことだし、『金時会』で一年の打ち上げがてら、熱海に旅行に行こうっていう話になって。」
「私、『金時会』を追放された身ですけど、良いんですか?」
「うん、沙希がそう言ってんだから、良いんじゃない?」
「沙希さんが!私、沙希さんにあんなにひどいことしたのに・・・。」
璃子ちゃんの目には、薄っすらと涙が溜っているように見える。
「それで、再来週あたり、一泊二日で、沙希の別荘に行くから。」
「沙希さんの別荘?スゴいですね!ぜひ、行きたいです!」
「じゃぁ、決まりね!みんなにも言っておくよ。」
こうして、璃子ちゃんも参加することになった。

――翌土曜日。

今日は、沙希が俺の家に引っ越してくる。ベッドや家具は置いてくるので、沙希は、今住んでいる部屋を解約するわけではないが、とりあえず来てみることになった。沙希が俺の部屋に来るのは、ほぼ初めてだ。予備校の帰りにチラッと俺の家に寄ってから、沙希の家に行ったことがあるので、ちょっとは中を見たことがある。もうそろそろ沙希の来る時間だ。

(ピンポーン!)

インターホンがなった。
「は~い、どうぞ!」
俺は沙希を部屋の中へと招き入れた。
「ようこそ、我が家へ。」
沙希は手に持っていたキャリーバッグを置いて、部屋全体を見渡した。
「今日からここで生活するのねっ。」
俺は、グラスにお茶を注ぎ、部屋の真ん中にあるテーブルの上に置いた。
「沙希、着替えとかは、ここ使っていいから。」
沙希のために開けておいた押し入れのスペースを指さして言った。
「ありがとう。」
沙希はキャリーバックを開いた。
「えっ?荷物それだけ?」
俺は驚いた。沙希のキャリーバッグには、靴が二足、お気に入りのシャンプーとコンディショナーが一組、そして、トレーナー二着、そして下着が五枚ぐらいだ。いくらなんでも洋服が少なすぎる。
「そうよ。」
沙希は、何食わぬ顔で応えた。
「だって、ズボンとか、上着とかないじゃん?」
「だから、あっくん、私、自宅では基本的に裸族なの。本当はパンツだけで十分よ。コンビニに行くときは、これを羽織っていけば良いし。」
オフホワイトのローブを手に持ちながら言った。
「っていうのは、冗談。上着とズボンは、ちょうど新しいのを買おうと思ってたの。今度買ってきて増やすわ。まぁ、どっちにしても、自宅ではパンツ一丁だから、いつでも襲ってきて良いわよっ。」
沙希はイジワルな笑顔を浮かべて言った。一通り、持ってきた洋服を押し入れにしまった。こんな少ない量だったので、掛かった時間は一分くらいだ。沙希はいつものように、相変わらずトレーナーに下着姿だ。
「そうだ、あっくん、暗くならないうちに、家の周りを案内してよ。」
「良いよっ!俺も外行く準備しなきゃ。」
俺はお揃いのローブを手に取った。沙希はトレーナー&下着姿の上に、ローブを羽織った。
「あっくんも、試してみたら?身体も心も開放的になるわよっ。」
「試すって、何を?」
「何って、あっくんもローブの下、裸になるのよ。」
何を言っているのか、一瞬困惑したが、沙希の気持ちを尊重した。やってみると、なかなか良いかもしれない。さすがに、パンツは履いたが。


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