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――翌朝。
起きたら、沙希から返信が来ていた。
「昨日はありがとう。体調だいぶ良くなったよ。でも、念のため、午前中に病院に行ってくる。だから、今日の実力テストは欠席するね。」
俺は、歯を磨いた後に返信した。
「体調、良くなって良かったね。そうだね、念のため病院で見てもらったほうが良いかもね。今日の講義のレジュメとかも、またもらって、沙希に渡すね!先週のとあわせて、また来週の講義のときかな?」
送信ボタンを押して、俺は自宅を出発した。
教室に着くと涼介と華が既に来ていた。二人とも実力テストに向けて、追い込みで勉強をしている。俺はというと、昨日のことがあって、理論の暗記は不十分だった。俺は邪魔をしないように、そっと席に着く。それと同時に、スマホが光った。
「今日、講義の後、予定空いてる?」
沙希からのお誘いだ。
「もちろん空いてるよ!」
俺は即答する。
「さすがに二週分講義が遅れちゃうと、取り戻すのが大変だから、荷物自宅に届けでくれない?笑」
続けて、もう一通。
「夕方まで休めは、体調はばっちりだと思うから、私、お礼にご飯作るよ!」
まさかの自宅へのお誘いである。朝からテンション爆アゲだ。
「わかった!キャリーバック持って来てないから、講義後一旦家に戻ってから、沙希の家に向かうね!十八時前には行けると思う。また連絡するね!」
俺の顔はニヤニヤしていた。涼介たちに見られたら、絶対に突っ込まれるだろう。幸い、二人とも勉強に集中している。
「それでは始めてください。試験時間は二時間です。」
実力テストが始まった。俺のテンションは高い。気分はルンルンだ。まずは、いつものように計算から手をつける。テンポ良く、区分していく。ここまでは、順調だ。問題は理論だ。ザッと見たところ、まったく覚えてない理論はなさそう。良かった。もちろん全部書けたわけではないが、上位三十%くらいには入っているだろう。
「やめてください!」
試験が終わった。思いのほか、テストには集中できた気がする。答案用紙の回収が終わると現実に引き戻される。そして、また顔がニヤニヤし始めた。
「篤、そんなに良くできたのか?」
涼介は俺に言った。華も涼介の背中から顔を出す。
「思ったよりは、簡単だったね!」
「華、そんなこと言って、全然できてなかったりして~。」
「やだぁ~。」
二人は何やら仲が良さそうである。
「沙希、今日来なかったね。体調まだ悪いのかな。心配。」
「そうだな、二週連続はちょっと心配だね。」
俺も沙希の体調のことが気になった。沙希が、今、どんな体調か、もちろん知っている。でも、平静を装うように、こう返した。
「心配だよね。華、沙希何か言ってた?」
あたかも知らないフリをしてみた。
「最近全然LINEもしてなくて。あとでLINEしてみようかな。心配だし。」
「よろしく!」
俺が、そう答えると、涼介が口を開いた。
「みんな、今日はランチどうする?」
俺には、大事な予定がある。今年一番の正念場といっても過言ではない。でも、内心とても緊張していた。だって、これから沙希の自宅に行くのだから。
「俺、ちょっと今日は外せない予定があって。二人で行ってきなよ!」
涼介は、ナイスアシストと言わんばかりの表情で、華に見えないように、小さくグーサインをして、華に言った。
「じゃぁ、華、行こっか。たまには、建物の外で食べるか!」
建物の出入口の自動扉を出て、俺と二人は別々の方へ歩いた。
「じゃぁ、またね!」
「お疲れ様!」
自宅に帰ってきた。時間は十四時半を回っていた。玄関には、沙希のキャリーバッグが置いてある。もう少ししたら、これを持って、沙希の自宅に行くのだ。俺はちょっと気持ちを落ち着けようと、リビングに行き、ベッドに腰掛ける。
「ふぅ~。」
大きく深呼吸をする。このなんとも言えない時間、まるで本試験が始まる直前のようだ。やる気がみなぎっていて、気分がフワフワ浮いているこの感じ。手汗もかいている。まずは、沙希にLINEするか。スマホを手に取った。
「今、自宅に帰ってきた。軽く昼ごはん食べてから、家出るね!早く帰ってきたから、十六時半くらいには行けると思う!」
行くことを宣言してしまった。もう引き下がれない。いや、引き下がるつもりはない。なんとしても、このチャンスをものにしなくては。俺は、スマホをテーブルに置いた。コンビニで買ってきた弁当を食べる。
「沙希がせっかくご飯作ってくれるんだから、これくらいにしておこう。」
俺は弁当を三分の二くらい食べたところで、箸を止めた。
「ちょっと、サッパリするか。」
もしかしたら、流れてベッドインするかもしれない。その時のために、一回シャワー浴びとくか。風呂場は寒かった。俺はササッと身体を洗い流す。下半身だけは入念に。もしかしたら、後で使うかもしれない。風呂から出たら、沙希からLINEが来ていた。
「わかった、待ってるね!あっくん、好き嫌いとかある?」
可愛い。文面が可愛い。まるで付き合ってるみたいだ。
「なんでも食べれるよ!」
俺は短く、そう返し、服を着た。刻一刻とその時に近づいている。心臓の音が、部屋全体に響き渡る。一応、勉強道具も持っていくことにした。
「あっ、これも持っていくか。」
俺は、いつも枕元においてあるアレもバッグの中に仕込んだ。役に立つ時が来るかもしれない。俺の妄想は膨らむ。気づけは沙希の裸を想像していた。黒味がかったちょっと銀色の髪。キレイなボディライン。いつもトレーナーとか胸元が目立たない服を着てるから、あくまで推測でしかないが、おっぱいはC~Dカップくらいだろうか。俺は大きさより、美しさ重視派だ。そして、程よい濃さの毛。期待はどんどん高まっていく。沙希から、また、返信が来た。
「了解!準備しとくね。あっ、私の部屋、二〇二号室ねっ。カギ空けとくから勝手に入って来て~!」
「よしっ!」
俺は靴を履いて、沙希のキャリーバッグのハンドルを握る。その手には、力が入っていた。意を決したような表情で、自宅の玄関をくぐった。出陣だ!
自宅の前の道に出た。荷物もあるし、沙希の自宅の住所も知っている。タクシーで行くことにした。日曜日の夕方なので、簡単にタクシーは捕まった。あとは、この車に連れてっていってもらうだけだ。十五分くらいして、車はマンションの前に止まる。
「千九百六十円です。」
俺は千円札二枚を手渡した。
「おつりは結構です。」
気分が良かったのと、早く車を降りたい一心で、そう言った。いざ、マンションのエントランスの前に立つ。
「えっと、二〇二号室だっけ。」
ちょうど住人が出てきたので、俺はインターホンを鳴らさず、マンションの中に入った。目の前にはエレベーターが二台ある。それに乗って、二階へと降り立った。二〇二号室は、廊下の一番奥の部屋だった。恐る恐る玄関の前に立つ。
「ふぅ~。」
大きく深呼吸をした。ドアノブに手を掛ける。これを捻れば、部屋の中だ。俺は意を決して中に入った。
「おじゃましま~す!」
大きな声で言ったが、沙希の返事はなかった。とりあえず玄関にキャリーバッグを置いて、靴を脱ぐ。部屋へと真っ直ぐに廊下が伸びている。廊下の左側にはキッチンがあった。鍋の中から良い匂いがしてくる。きっと沙希が作っておいてくれたのだろう。早く食べたい。そして、右側には扉が二つあった。一つはトイレで、もう一つはお風呂場だろうか。廊下を通り抜けると、リビングのドアがあった。スリガラスの窓がついているので、沙希の気配は感じられる。
「お邪魔します!」
そう言って、俺はドアを開けた。正面には大きな窓があり、結構広い。右側には三十二型くらいのテレビが置いてある。その奥には、割りと大き目のデスクがある。中央には低い丸テーブルがあり、左側にはベッドだ。沙希は頭を向こうにしてベッドに寝っころがり、スマホを見ていた。
「おぉぉぉぉ!」
俺は思わず声を上げてしまった。上はトレーナーを着ているが、下はズボンを履いていない!真紅の下着がチラチラ見える。透けてる素材なので、よく目を凝らしたら、それ以上が見えそうだ。自分の理性を必死に保とうと、沙希にもう一度、声を掛けた。
「沙希!」
「わぁ、いらっしゃい!」
驚いた顔をして、俺を見た。
「沙希、ズボン・・・。」
「あっ、ごめんごめん。来てることに全然気付かなくって。いつも家ではこんな感じなの。ごめんね。」
沙希は急いでスウェットのズボンを履いた。いつもこんな感じなのか。エロい。俺とその部分でも気が合いそうだ。でも、これがきっかけで、緊張の糸が解けた。
「ちょうどね、今、グループLINEに涼介から、勉強合宿のお誘いが来てたよ。」
俺は、沙希のスマホを覗き込むように、ベッドに腰掛けた。
「涼介、華のこと狙ってるみたいだよ。」
「そうなんだ、でもお似合いだよね、あの二人。」
「じゃぁ、あの二人が付き合えるように、手を回そうか。」
「良いね!ワザと部屋で二人だけにするとか?」
沙希はイジワルな顔をしながら面白がった。
「華は沙希に、涼介のこと、どう思ってるとか言ってないの?」
「ううん、聞いたことないな。」
「でも、きっといけるよね。」
何も根拠はないが、普段の様子を見ていると、そんな気がする。俺は続けた。
「もう合宿なんだし、お泊りなんだし、いけるところまでいけばいいと思う。」
冗談交じりで沙希に言った。
「そうだね、最悪、せめてキスまでは、いって欲しいね!こうやってっ。」
そう言うと、沙希は照明を少し落として、強引に俺の顔を引き寄せた。沙希の唇は柔らかかった。俺ら二人を止めるものは、もはや何もない。何かに促されるように、ベッドに吸い込まれた。一瞬、俺はそれ以上しても良いものが躊躇った。ここで選択を間違えたら、二度と沙希の家に出入り出来なくなるかもしれない。
「あっくん、良いよっ・・・。」
沙希は少し高い声で、囁くように言った。俺と沙希は本能に支配される。お互いの纏っていたものが取れると、ここは夢か?現実か?ボーダーが曖昧になる程、甘く、幸せな時間だった。沙希の温もりを感じながら、身体を絡ませる。今までたくさん沙希の裸を妄想してきたが、その想像を遥かに超えた。おっぱいは餅のように柔らかく、俺の指を跳ね返す。根元からずっしりしているお椀型だ。そのうえ、見た目も大きいが、巨乳というより美乳で、完全に俺好みだ。美しい曲線が俺の下半身を熱くする。そのまま、滑らかにお腹を滑り、下の方へと手を伸ばす。途中、その滑りを遮るものは何もない。
「おぉっ。」
思わず声が漏れた。俺は顔を先の脚の間にうずめる。ツルツルときれいな曲線を描いた妖艶なふくらみが俺を迎え入れた。沙希は腰をくねらせる。俺は構わず続けた。沙希は俺の脚を掴んで、俺の身体を反転させる。おっぱいが俺の腹筋を弾き返す。沙希は優しく、俺の熱を口の中へ溶かした。いつの間にか、その熱気は、ゴムに包まれていた。
「入れるよ。」
「うん。」
気持ちを確かめ合うように、体温を融合させた。幸せだ。沙希の表情は艶やかだった。美しい。その全体の曲線美を堪能しながら、俺と沙希は、我に返った。
シーン画集 チラ見せ
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実際の『シーン画集』は「ボカシ」も「★」もございません。
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